【読書感想】のらねこのポラ(ふりや かよこ)

 

のらねこのポラ (絵本・いつでもいっしょ)

のらねこのポラ (絵本・いつでもいっしょ)

 

街から遠くはなれた森や山には、たくさんの犬やねこがすてられています。

こねこのポラも、森におきざりにされ、のらねこになりました。

きびしい自然の中で、ポラは生きていくことができるのでしょうか?

ーー友情と自己犠牲の物語。

 

 ちょっぴり哀しそうな黒猫の絵に惹かれて。

 カバーの最初に書いてある「自己犠牲」ということばも気になる。そんなん、30歳越えても身についていないんですけど?

 そんなわたしでも、心がぎゅーーーってなるような物語でした。

 

 育ててくれて、すてきな名前をくれたおじいさんが天国に行ってしまい、森で生きることになったポラ。

 

 森の生き物たちはみんな優しいけど、のらねことして生きることは決して易しくない。

みみをすまして、しんぞうのおとを きいてごらん。

どっくん どっくん、いってるだろ?

それは ポラの からだが、 『ぼくは いきるよ。

やりたいことが いっぱい あるよ』って、

いってるんだよ

 

 人間より小さな者たち。

 だからといって人間が支配していいわけでも、勝手気ままに振り回してもいいはずがない。

 そんな傲慢な人間という生き物に憤怒が湧き上がる。

 

 最後、大きなチビは小さなポラの幸せを考えて、別々に生きる選択をする。

 星空を見上げるチビとふくろうの絵が、とっても切なくて優しい。

 みんなのその後が幸せで、あたたかいものでありますように。

 

 

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