【読書感想】歌川国芳猫づくし(風野真知雄)

 

歌川国芳猫づくし

歌川国芳猫づくし

 

お上を恐れぬ威勢の良さで知られる国芳も、老いの戸惑いから、死への興味と、そして最後の恋への憧れが泡のように、ぽつぽつと浮かぶ。そんななか、八匹の猫と、一癖も二癖もある弟子たちに囲まれた彼の周囲では、次々と「猫」にまつわる大事小事が起きてー。数々の人気時代小説で知られる著者が、持ち味の諧謔と哀感に溢れた筆致で、猫のいる日常と、淡い恋心を豊かに描きだします。

 

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【読書感想】さようなら、猫(井上荒野)

 

さようなら、猫

さようなら、猫

 

乾いている人、求めている人、愛している人。

憎んでいる人、何も考えたくない人。

彼らの日々にそっと加えられる一匹の猫。

さびしくなかったら、きっと仔猫を助けるなんてことはしなかっただろう。

だから、ハッピーを手放すのは、

たんに元いた場所に戻るということなのだ。

元いた場所って?(「自分の猫」)

猫が横切るままならない人間世界。

短編の名手が紡ぐ9つの物語。

 

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【読書感想】緑の石と猫(高橋順子)

 

緑の石と猫

緑の石と猫

 

心あたたまる話、不思議な話、どこかへおでかけしたくなる話…当代きっての文章家がおくる、10の物語。

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【読書感想】なぜ猫は旅をするのか?(永嶋恵美)

 

なぜ猫は旅をするのか? (双葉文庫)

なぜ猫は旅をするのか? (双葉文庫)

 

 

人情と猫で有名な下町の大学病院に勤める、医師の鳥羽裕太と事務の夏海。裕太が夏海の甥をかばって事故に遭ってから二人は親しくなった。事故直前の記憶がなくなってしまった裕太の、当時の行動を解き明かそうとする二人だったが、そのほかにも町では「日常を突き崩す」事件が次々に起こり――。夏海の行動力と裕太の頭脳が事件をチャキチャキッと解決に導く、ミステリー連作短編集。

 

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【読書感想】猫ヲ祭ル(千田佳代)

 

猫ヲ祭ル

猫ヲ祭ル

 

 一人住まう女性が、猫とともに老いを迎える。猫と人との関わりが絶妙に描かれる……。人生の根元に触れた哀しみと孤独とが匂い立ってくる。猫と老嬢、人生の終末を支え合う最愛のパートナー。川村湊氏(文芸評論家)推薦。

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【読書感想】ブランケット・キャッツ(重松清)

 

ブランケット・キャッツ (朝日文庫)

ブランケット・キャッツ (朝日文庫)

 

馴染んだ毛布とともに、2泊3日でレンタルされる「ブランケット・キャット」。父親がリストラされた家族、子どものできない夫婦、いじめに直面した息子と両親、25歳のフリーター派遣社員の彼女ーー。「明日」が揺らいだ人たちに、猫が贈った温もりと小さな7つの光。

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【読書感想】悲しみの底で猫が教えてくれた大切なこと(瀧森古都)

 

悲しみの底で猫が教えてくれた大切なこと

悲しみの底で猫が教えてくれた大切なこと

 

 『ネコは、ごはんを何日食べなければ死にますか?』

とあるパチンコ店の前に置かれている一冊の「里親探しノート」に、そんな奇妙なことが書かれてあった。ただなんとなく生きている店員の五郎、現実逃避している常連客たち……。

この一冊のノートにより、それぞれの運命の歯車が動き出し、生きる意味と向き合うこととなる。

 

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