【読書感想】モノレールねこ(加納朋子)
小学生のぼくは、ねこの首輪に挟んだ手紙で「タカキ」と文通をする。ある日、ねこが車に轢かれて死に、タカキとの交流は途絶えたが……。表題作の「モノレールねこ」ほか、ザリガニの俺が、家族を見守る「バルタン最期の日」など、夫婦、親子、職場の同僚など、日常にさりげなく現れる、大切な人との絆を描いた8編。
(表題作「モノレールねこ」について)
一匹のノラねこを介して、ふたりの小学生の文通が始まる。
そのねこはデブで不細工で、いい加減なブチ模様に、「肉が小汚い毛皮の下で雪崩を起こしているようだ」という。散々な言われようである。
そこで名付けられたのが「モノレールねこ」。見事な香箱をつくる猫の、両脇から垂れた脂肪ががっちり塀を掴んでいる姿を思い浮かべてもらえれば、誰しも「成る程」と思うところであろう。
伝書鳩ならぬ伝書猫に、餌を与え与え手懐けたふたりは文通を楽しむが、そう長くは続かない。ノラねこに過酷なことを強いてしまったことを後悔する主人公サトルが、そのまま文通相手タカキに会うことはなくーー。
姿の見えない付き合いにつきまとう感情。わかる気がする。
ご都合主義かよ!爆発しろ!という最後だが、ほっこりすることウケアイ。
他の物語にも動物がよく出てくる一冊なので、猫好きだけでなく動物全般が好きな方にもお勧めです。
我が家のねこはこちら。
我が子たちの食い意地がすごいので、転がすとカリカリが出てくる装置で遊ばせてみた。矢三郎が真面目にカリカリを取り出す一方で、なつめちゃんはわたしにスリ寄ることでご飯をもらおうというアプローチに一貫。要領良すぎちゃうか。 pic.twitter.com/m3Q7fgVQ3M
— ayako kondo (@ayako______) February 2, 2016